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2009.07.03 アサミの門出

思い返せば二年前の年が明けたばかりの弘法さんでスカウトしたのが始まりでした。
おはりばこスタッフあさみ、人呼んであちゃ。
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家賃二万円のボロ家住まい、風呂無し、テレビ無し、音好き、ラーメン好き、旅好き、着物生活、AB型。
生き別れた姉妹かと思うほどに近いライフスタイルを送る彼女がおはりばこのスタッフになったのは、きっと必然だったのでしょう。
既成のパッケージされた流行文化には見向きもせず、地下へ地下へと生き場所を探し、休みの日には必ず篠笛を携えてふらりと辺鄙な処へ足を運んでいました。

社員にもかかわらず劇団に所属し、いつの間にか劇団を主宰していたあちゃ。
仕事は速く、なにがなんでも残業はすまいと、必ず定時で上がるよう段取りをしていたあちゃ。
はなみばこの際には、ギターを抱えてアンニュイな歌声を披露していたあちゃ。
6月末日をもって、ついにおはりばこ卒業です。

送別会は、彼女の好きなラーメンズの小林賢太郎のソロライブのDVDを試写。
餞別へのお返しに、と店主に呉れた置き土産には、にやりとさせられました。

紙袋を開けると、伊勢木綿の小さな巾着が。
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中を開けると、
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吉井本家の火打石セットが。
誰にも漏らしたことの無い、密かに欲しがっていたものがなぜ分かった?
あちゃは最後まであちゃでした。

これからは、しばらく休みを取って日本・アジアを旅するとのこと。
最高やね。
気をつけていっておいで、と、見送りの際に肩口に切り火をして送り出しました。


2年間、お疲れ様でした。
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Post at 19:32(金)/No.548改修・引越しCom:1Tb:0Top↑

2009.06.21 迷い猫来りて去る


ある日のこと。

開店前の軒先で伸びをしていたとき、ふと道の下手に目を遣ると、見慣れない光景が目に入ってきました。
猫が歩いている。
いや、それだけならなんと言うことの無い日常の光景なのですが、何かがおかしい。
普通の猫とは何かが違いました。

通常、猫という動物は、道を移動するときは回りをじーっと見渡して、ササっと走るように動くはず。なのにその子は、まるで犬が散歩するときのようにあたりに目を配ることなく、少し俯きながら、往来を気にすることなくてくてくとひたすらこちらに向かって歩いているのです。

1車線道路とはいえ車の往来が激しいこの通、この子の動きはひどく危なっかしいものに見えました。
足先の白い黒猫です。やせぽっちの細い躯で、見たところまだ子猫。首輪もつけず、洟を垂らし、力の無い足取りで、ただ四本の足を前に運ぶばかり。どうやら野良の子猫のようです。

思わず通せんぼして、軒先の床机の下に囲い込みましたが、ひどく警戒しています。しばらくにらめっこしているところに、猫博士の新アサミさんが出勤してきました。


「2〜3ヶ月ね。ママはどうしたの。」

やさしく声を掛けますが、子猫はおびえて出てきません。
店主が気を引いている間に、アサミさんが後ろから首っ玉をつかんで抱っこしましたが、激しく抵抗します。
ひっかき、噛み付き、アサミさんの手はいつのまにか血まみれに。
それでも大声もあげず、離しもせず、やさしく宥めるアサミさん。

ようやくおちついた子猫を庭に連れて行き、とりあえず水を与えました。
出掛けのついでに、猫缶を買ってきて、四分一を皿に盛り、そっと置いておきました。

しばらく放っておくと、ご飯を少し食べ、水を少し飲んで、そのまま日陰で眠り込んでしまいました。

さてどうしたものか。
店では飼うことは出来ません。
猫好きのスタッフたちも、事情により飼えないのは同じこと。
無責任に情をかけたのは、正しいのか間違いなのか。

逡巡していると、ふと隣のおばあさんの昔話を思い出しました。
すべらない話を多数持っている、大正生まれの隣のおばあさん。



「ある日、息子が捨て猫を拾うてきたんです」

ほうほう。

「名前なんにしようかー思て考えたんですわ」

なるほど。

「でもわたし猫好かんさかい、なんでもええしつけたれ思て、」

なんてつけはったんですか?

「捨て猫やし、ステ子でええわ、いうて。」

あんまりですやん

「ステ子、ステ子、いうて呼んでたんです」

・・・。

「でも息子がその名前はあんまりやいうて」

そりゃそうです

「拾てきたんやし、ヒロ子にしぃて」

いやいや。



その理屈からいくと、この子は迷子やし・・・「マイ子」か?
なんてことを考えていると、ミャー、という声と共に走り庭をてくてく歩いていく黒い影。

マイ子が店から出て行ってしまいました。

後を追ってはいけない。
追った所で、自分は何もしてあげられない。

マイ子の境遇は知る由もありませんが、願わくは、お母さんのお使いの帰りにうちに寄り道しただけ、マイ子の歩く先には母猫が帰りを心配して待っていますように。

少し時間が経ってから、道にでてあたりを見回しましたが、もうマイ子の姿はありませんでした。

またいつか、いつでもいいよ。
店に顔を見せに遊びにおいで。
裏でゆっくり昼寝をしにおいで。
Post at 21:12(日)/No.547改修・引越しCom:0Tb:0Top↑

2009.06.14 喜狂家の新しい看板

いよいよ京都も入梅しました。
これから秋になるまで、京都は布団をかぶったようなムンとした暑さに包まれます。

この盆地特有の湿気にうだるような暑さが加わると、網にかかった魚の気持ちがよく分かります。
あー、1分だけでいいから、この盆の中の空気と白馬の空気を丸ごと入れ替えられないもんかいな、と不毛な空想に逃げるのが京都人の夏の常。

しかしそんな湿気も煙管の話となれば良い材料になります。
煙管で喫煙する刻みタバコは、世界でも例を見ないほど細かく刻まれており、すぐに乾燥してしまいます。乾燥した刻みタバコは、丸めにくい上にとても辛くなり、とても吸えたもんじゃなくなります。

そこへ行くと梅雨の刻みは適度に湿気を帯びて丸めやすく、味もまろやかになります。
梅雨は、まさに煙管の季節。

そんなわけで一つの看板を手に入れました。
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ご存知の通り、私はおはりばこ店主としての顔以外に、神出鬼没の煙管バー「喜狂家」店主という裏の顔ももっています。
喜狂家として商いをするにあたって、一目見て何屋かわかるものが欲しいと思っていたのですが、ぴったりの看板です。

・チープさ加減
・胡散くさ加減
・手作り感
・叺の絵←ポイント高し!
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いうことなしですね。

次回の喜狂家の出展は・・・
7/26(日)@village!

あの興奮をもう一度。
こんどは浴衣イベントです!


おたのしみに・・・
Post at 18:08(日)/No.545趣味・日常Com:0Tb:0Top↑

2009.06.05 臨時営業・臨時休業のお知らせ

いつも当店をご贔屓頂きまして、誠にありがとうございます。
皆様のご愛顧、心より御礼申し上げます。

さて、来る7月ですが、臨時営業及び臨時休業させていただきたく存じ、ここにお知らせいたします。

当店の定休日は、木曜日及び第三水曜日ですが、7月第三水曜・木曜(15・16日)は祇園祭の為、臨時営業させていただきます。
その代わり、その次の週21〜24の4日間は、誠に勝手ながら臨時休業とさせていただきます。


この連休は、ただの振り替え休業ではありません。
おはりばこが始まる前から決まっていたお休みです。
というのは・・・

3年前の日記にも書きましたが、7月22日は日本で日食が見られる日。
この日は、何が何でも休みを取る、と決めていました。
http://oharibako.blog16.fc2.com/blog-entry-143.html
http://oharibako.blog16.fc2.com/blog-entry-373.html

店主がオーストラリアで日食を見たのは7年前。
そのときから、2009年の日食は、なんとしても見に行くと決意していたのです。
しかし、日本の日食ともなると、需要が供給を上回り、奄美大島へ渡る便はすでに大手旅行代理店に押さえられ、ツアーで40万というとんでもない破格値に。
島内もしっちゃかめっちゃかの大騒ぎで、宿はすでにパンク状態、テントサイトすらどうなることやら・・・という状況。
半ばあきらめていた店主に、ある話が降って来ました。


おはりばこの近所のゲストハウス、月光荘の大将「雨柊」が、屋久島行きの船を手配した、というのです。
この前月光荘で飲んでいるときにその話になり、文字通り渡りに船、と相成った次第です。

これはツアーではなく、みんなで知恵と力を出し合って屋久島まで向かう旅。
船を出す人、手配する人、乗り込む人に序列は無く、すべてが自己責任・互助精神を以ってできることを尽くして島に向かう。
島に上がれる算段はあっても保障はありません。
宿も飯もすべて自分たちでなんとかする。

2002年に経験したあのワクワク感が、もっといえば生まれて初めて自転車に乗って知らない土地へ冒険へ出かけたあのワクワク感が、30を目前にしたこの胸を躍らせています。

誠に勝手な理由で申し訳ございませんが、20台最後のわがままを、どうか聞いてやってください。


23歳のときにもらった宿題の答え合わせまで、あと1ヶ月と少しです。
Post at 11:57(金)/No.544改修・引越しCom:3Tb:0Top↑

2009.06.03 単衣着物と神田結び

さあ単衣の季節が始まりました。
袷・夏物はたくさん流通しているのですが、単衣というのは本当に少ないんです。
数が少ないのはもちろんのこと、梅雨だなんだと着物を着る気をなくさせるこの季節。
毎日着物を着るものとしては大変難しい季節です。


それだけに逆に着こなしにも手抜かり無く気合が入るということもあります。
暑苦しくなく、すっきりと、それでいて盛夏の軽やかさまでは行かない着姿は、単衣ならではですもんね。

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先日の天神さん。
細かい格子の紬の単衣に有松鳴海絞の角帯を締めて。
白い鼻緒の下駄で帯にあわせてみました。

羽織を着ない、いわゆる「着流し」は、引き算の着こなし。
余計なものをつけませんので、着手が生きます。
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帯結びは、神田結び。
貝の口の手を細くしてキリリと結んだ粋な帯結びです。
横縞の帯に似合う結びですな。


初夏の単は6月だけの1ヶ月。
ぜひ着流しでお出かけしてくださいな。

Post at 16:38(水)/No.543改修・引越しCom:0Tb:0Top↑