おはりばこのお手本

「職住一致」なんて言葉があります。

呼んで字のごとく、住居と仕事場を共にする、ということなのですが、最近の言葉で言うところの「SOHO」というヤツに近いのでしょう。

ご存知のとおり、店主はおはりばこの二階に住み、仕事とプライベートの境界線が曖昧な職住一致を実践しているのですが、ホント自分の性にあっているなぁと感じております。

そもそも、町家というのは、職住一致用に作られた建築物であり、その証拠に、京都の古くからの町家でお商売をされている方々は、ほぼ例外なく職住一致の暮らしです。

店主の祖父は西陣の町家で糸屋を営んでいたのですが、もちろん職住一致。
入り口に土間があり、店の間に生糸のにおいが充満していたものです。
また、おはりばこのもう一つの工房である実家も、昔から職住一致。
店主のお隣も、現役のでいらしたときは職住一致でお商売をされていました。

最近町家のお店だなんだって取り上げられていますが、地元民御用達の新大宮商店街のお店のほとんどが職住一致、そしてそのうちの多くが町家のお店です。

その中の一つ、店主が昼飯によくお世話になっている近所の「尾張屋」さんも、よくよく考えれば町家の職住一致スタイルです。
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この「尾張屋」という屋号ですが、京都にはた~くさんの尾張屋さんがあります。
おはりばこが引っ越す前によくお世話になっていたお蕎麦屋さんも、「尾張屋さん」でした。

そして、この「尾張屋さん」たちの本家となるのが、「本家尾張屋」さんです。ってそのまんま。

二条車屋町にある、有名老舗。
なんと、530年の伝統があるそうです。
この尾張屋さんの暖簾分けが、随所に点在する「尾張屋さん」なのです。

リーズナブルな価格、豊富なメニュー。
力士の手形色紙が置いてあり、週刊誌、スポーツ紙が読め、いつもテレビがついている。
そして、いつものお母さんがメニューを取りに来、お父さんは岡持ちをぶら下げて出前に行き、おばあちゃんと天気の話をする。

決して観光向けの「町家特集」に載ることのないたくさんの尾張屋さんですが、店主を始め、洛中の町衆の食堂として、毎日変わらぬ味を提供してくれています。

これってすごいことだと思いませんか?
店主は思います。といっても、ご本人たちは「当たり前の生活」と思ってらっしゃるんでしょうが。

もし皆様が京都にお越しになるときは、そんな市井の「町家食堂」にぜひ足を運んでみてください。
これも、飾らない本当の京都の姿ですので。

プロフィール

おはりばこ店主

  • Author:おはりばこ店主
  • おはりばこ店主です。
    花嫁さんや成人式・卒業式、七五三などのハレの髪飾りやかんざしを、京都からお届けします。

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