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2007.05.28 大文字夜の特別拝観
日本人なら誰もが知っているであろう、京都の五山の送り火。
その中でももっとも有名な如意ヶ岳、通称右大文字って、実は誰でも上れるってご存知ですか? 送り火の当日以外なら、いつでも誰でも登ることが出来るのです。 登山といってもある程度整備された山道で、鼻歌4曲も歌ってる間に火床にたどり着ける、超初心者用ハイキングコース。 大文字は眺めるだけのものではなかったのです。 古来煙と阿呆は高いところがすきなんていわれていますが、登る阿呆と見る阿呆なら断然前者だろうという根っからの阿呆7人が集まり、風呂敷におにぎりを忍ばせて夜の特別拝観に繰り出しました。 季節は初夏。 寒くもなく、暑くもなく。 5月の夜を味方につけて、いざ出発! ![]() 銀閣寺の参道から奥に進むと、山道が現れます。 あとは煙の如く上へ上へと登っていくだけ。 途中までは沢の側を歩きますので、落っこちないように気をつけて。 ![]() 20分ほど歩き続け、そろそろ息も上がってきたかなと思った頃に、階段が現れます。 ![]() ここまで来れば、もう一頑張りです。 火床、火床! 階段を登りきると、山の神様からのご褒美が目の前に! ![]() 火床は広く拓かれていますので、北は岩倉から南は大阪まで、この景色を誰もいない大文字で独り占めできます。 七人の夜の盗賊団、気分はすっかり石川五右衛門の如し。 「絶景かな絶景かな」 ちなみにお昼の眺めはこんな感じ。のはず。 ![]() 阿呆と呼ばれたってかまいません。 月と京都の夜を鷲掴みできるのですから。 ![]() 暑くなった体を冷やすそよ風を受けながら、火床に腰掛けてお弁当タイム。 こんなにうまいおにぎりはそう食べられるものじゃあありません。 「友よ、あれが京の灯だ」 ![]() 拝観料タダ、観光客ゼロの夜の特別拝観。 お代は自分の足と、山の神様への感謝の気持ちだけ。 登るときの苦労なんて、1秒で吹き飛びますから・・・。 【夜間拝観の注意点】 ●簡単な山道とはいえ山は山。3人以上のパーティを組んで、歩きやすい装備で出かけましょう。 ●女性だけの夜道歩きは危険です。必ず男性も同行しましょう。 ●山にごみを残して帰るとバチがあたります。来た時よりも美しく! ●当然地上より少し寒いです。防寒具・雨具をお忘れなく。 ●熊よけの鈴をつけて登りましょう。 ●受付もガイドも保障ありません。すべての行動は自己責任で。 2007.05.26 笑えといわれて笑えるものか
京都街角情報誌の雄、「Leaf」様より頂戴した今回の案件。
京都の着物好きが紹介するお勧め着物ショップ見開き二ページ@9月発売別冊ムック。 なんの因果か知りませんが不肖店主に白羽の矢が立ち、恐れ多くも店主が愛する着物の店をご紹介することになりました。 見開き二ページということで、男着物と女着物に分けてご紹介したわけですが、女着物のお勧めショップは、我らがフミちゃんが請けて立ちました。 この手の企画は前にも一度観光情報誌で受けたことがありますが、そのときは紹介したのがパンクフォークなカフェだったり泡盛200円素泊まり2000円のゲストハウスだったりと、余りにも小風呂敷スポットだったため、その悉くが却下されてしまい、店主が行ったことの無い店が店主お勧めとして紹介されるという大人の事情に涙を飲んだわけですが、今回はすべて店主が直接紹介した店ばかり採用していただき、無念を雪いだ次第です。 とはいえ、今回はなるべく初めての方や、店主より余裕のある方・綺麗目好きな方も楽しんでいただけるよう配慮したつもりです。自分も大人になりました。 当然店主とフミちゃんも取材を受けるわけですが、どうにも慣れないのが写真撮影。 プロのカメラマンさんにカメラを向けられ、「目線くださーい」とか「笑顔でお願いしますー」なんていう注文を貰いますが、言うは易し、行なうは難し。可笑しくもないのに笑えるか、と心の中で呟きながら、精一杯の引きつった笑顔をレンズに呉れてやる自分が可笑しくて、周回遅れの自然な笑顔が出る頃には「ハイOKでーす」ってオイ。 店主と同じ轍はフミちゃんに踏ませてなるものか、と妙案を案じた店主は、撮影されるフミちゃんを、カメラマンの後ろから笑かせてやる作戦に出ました。 【before】 ![]() 【after】 ![]() ナイス笑顔! カメラマンさん、最高の笑顔を捕まえたかい? そんなわけで、店主の引きつった笑顔とフミちゃんの満面の笑みが載ったLeaf別冊は、9月中旬発売予定! 通年版ですので、一年間書店でご覧いただけます。 おはりばこの、未発売の新商品も掲載していますのでお楽しみに! 2007.05.24 新しい家族が出来ました
数日前の午後8時ごろ、仕事が終わるや否や店を駆け出して帰宅の途についた当店の丁稚スタッフより、水を汲み置きしておくようメールが入りました。
どうやら丁稚は、閉店後その足で、壬生にある梛神社の神幸祭に向かっていたようで、金魚すくいで金魚をゲットしたから裏の池で飼いましょう、という旨だったのです。 おはりばこの裏には猫の額ほどの裏庭があり、その東の端に石垣で囲まれた小さな池があります。 そこで金魚を飼おうというのです。 この池、夏には大量発生する蚊の生産地としても悪名高く、長らく無用の長物と疎まれていました。 しかしそこに金魚を飼ってみればどうでしょう。 ぼうふらは駆逐され、色鮮やかな金魚が涼しげに泳ぐ涼場として復活するはずです。 金魚たちが来て今日で3日目。 和金4尾、黒出目金1尾、朱文金1尾は元気に池を泳ぎ回っています。 ![]() 店主も、濾過装置やら金魚のえさ「エンジェル」やら入手して、すっかりお父さん気分。 まだまだ顔を覚えてもらえず、近づいたら瓦で作ってやった家に隠れてしまいますが、根気よくえさを与えて餌付かせるつもりです。 金魚すくいでとってきた金魚のこと、どれだけ生きられるか分かりませんが、店主にとっては初めての同居人です。 可愛がってやることにします。 ![]() 扇風機に金魚に蚊取り線香。 おはりばこの夏が始まりました。 2007.05.23 職住一体
町家ってなんじゃらほい?
数年前に始まったいわゆる「町家ブーム」により、猫も杓子も町家を名乗っている今日この頃。 町家関連本も出尽くしていますので、興味のある方は京町家という響きに、多種多様なイメージをお持ちのことでしょう。 とはいえ、京町家というものの定義はこれ非常に曖昧でして、人によって意味のとりようは千差万別。「広義の」や「狭義の」という枕詞なくして酒の席で議論しようものなら、喧嘩にだってなりかねません。 ましてやお尻に「風」なんてついた日には、もう何がなにやら。 かくいうおはりばこも、「町家暮らし日記」なんて銘打ってはいますが、中京の立派な商家の町家さんからすれば、店主の暮らしはどう贔屓目に見ても「長屋暮らし」であり、そもそも紫野は「京」の外、確実に京町家ではありません。 ほんの十年ほど前までは、おはりばこの建物のような小さな町家は、家賃もつかないような只のボロ家扱いでした。 でも、最近では長屋も町家もいっしょくたに論じられています。 じゃあ町家ってなんなのさ。 長屋は町家に含まれるのか?町家の建物を外観だけ残し、中身はそっくり綺麗になってもそれは町家なのか?そもそもなぜ町家かどうかを決めなきゃならんのか? それは、京町家っていう言葉自体がブランドになっちゃったからではないでしょうか。 格子がついてて瓦葺で、いかにも「京都」を想起させる建物が世の中の目から見ると京町家であり、京都らしさを感じにやってくるお客様達の目を満足させることが出来る、つまり早い話が商売になる、と。だから「京町家」を拡大解釈してそのブランドを拝借しようとする。 おっと、勘違いしないで頂きたいのは、店主はそれを別に非難したいわけではありません。 それはそれで京町家というもののハードの使い方の一つでしょうし、そもそも資本主義であるニッポンにおいてお金を儲けることが否定されることはあってはならないはずですしね。 さらに、町家が壊されていることに対して批判が起きたりしますが、それは外の人間だから言えること。 流通革命が起こり、和装がダメになり、百円ショップやショッピングモールが乱立して家庭内手工業が衰退した現代では、町家はその機能を必要とされていません。 町家とは、職住一体の機能を持たせるために作られた建物なのですから。 使い道の無い維持費ばかりかかる金食い虫を他のものに変えて有効利用しようというのは、当然の道理です。 町家を保存していくためには、建物の保存よりも、職住一体の暮らしを模索していかなければなりません。 建物だけを保存しても、町家ブームが去り、「町家」では儲からないと資本が判断すれば、あっさり取り壊され、より儲かる建物が跡地に建てられるだけの話です。 じゃあ、職住一体の暮らしって具体的にどういうことなのか? そんな問いのヒントがたくさん見つかるイベント、「楽町楽家」が今年も現在京都の彼方此方で開催されています。 今年で三回目となるこのイベントは、実際に活用されている町家で、いろんなワークショップや体験、ライブが行われます。 外観ではなく、中身に重点を置いたイベントですので、新たな発見があるかもしれませんよ。 さてさて、仕事も終わったことやしそろそろ風呂屋行って寝るかー。 ってこれが出来るのが、職住一体のいいところなんですよね。 2007.05.18 鴨川をどりからみなみ会館まで
やってきました第三水曜日。
いただいたお休み、どのように有効活用したものか? 充実した一日にせんければ。 大徳寺前でタクシーを捕まえ、「木屋町蛸薬師」と行き先を告げ、向かうは先斗町の兎小物屋さん「うさぎのアトリエぴょんぴょこぴょん」さん。 ここの店主の神戸さんから、なんとなんと鴨川をどりの招待券を2枚頂戴し、フミちゃん孝行も兼ねて二人で観賞しにいって来たのです。 今日は観光客やったるでーと意気も揚々先斗町に到着。 ![]() 神戸さんにご挨拶に出向き、チケットを頂戴します。 ![]() 先斗町の細い道を舞妓さんとすれ違いながら北へ上がり、歌舞練場に到着。通していただいたお茶屋さんの屋号を受付で告げると、中に案内してもらえます。 まずは舞妓さんの点てるお茶を頂くのですが、大部屋に配置された机に順次お客さんが入っては出て行く流れ作業スタイルです。 しかしお茶を点てる舞妓さんにライン工のあわただしさなど微塵も感じさせない優雅な振る舞い。 対照的に慌しい給仕さんの動きに釣られ、あっという間に出て行けば、いよいよいよいよ本番待ちです。 ![]() 緞帳は、川島織物製作千鳥柄。提供は大丸さん。 いかにも先斗町らしいですな。 店主の前の席には、プライベートで観劇に来たと思われる、超美人のすっぴん舞妓さん。 とそのうなじ。 最高の席をありがとう、神戸さん! 演目は、第一幕が「桜の苑」、第二幕が「道中双六」。 第一幕は感動的な演目で。 三女梅香役のもみ蝶さんの美しさに口あきっぱなしの店主。 第二幕は気楽に見られる喜劇風。 笑いあり、涙あり、夢オチありの大団円でした。 またもや山賊役のもみ蝶さんに目も心も釘付けでした。 ![]() ![]() (もみ蝶さんの写真はありません、悪しからず) 美女達の競演で胸いっぱいになった店主たちは、ぴょんぴょこぴょんさんに帰り、丁重にお礼を述べ、お店の前で記念撮影。 さすがカメラにも造詣の深い神戸さん。 いい写真を撮っていただいたので、ちょっと加工してみました。 ![]() (※注 観光客です) ぴょんぴょこさんを辞し、腹ごしらえをしたあとは、三条縄手の古布屋さん「珍裂屋」さんへお邪魔しました。 こちらでは、明治以前(!)の更紗や型染めなどの古布を扱ってらっしゃいます。 もう、見るものすべてが店主のツボなのですが、余りに貴重且つ高価なため、緊張と興奮で余り覚えていません。 また次回チャレンジ。 白川を越え、花見小路へ。 ![]() よく考えると、花見小路へ来たのは初めてです。 電信柱が無いといううわさは本当でした。 いやしかしこの日はよく写真に撮られました。 声をかけてから撮ってくださる方もたくさんいらっしゃいますが、まれに不意打ちのシャッター音を食らうこともあったりなんかして。 そんなときは笑顔で撮りかえしてやりました。 雨が降る前に早めに家路につき、帰るやいなや夏結城に着替えました。 やっぱりよそ行きは肩が凝りますわ。 この日はこれで終わりません。 友人たちと共に、京都のニッチ系映画館、みなみ会館へこの日二つ目の観賞へ向かいます。 緞帳の提供は、南区の雄「巖本金属株式会社」。 いかにも南区らしいですな。 演目は「CROSSING THE BRIDGE」。 トルコのミュージックシーンの今を紹介したドキュメンタリー映画です。 トラベラー達から聞こえてくる「トルコ熱い!」の礼賛の声、この映画を見ると納得させられます。 早速影響された店主、トルコに行きたくなりました。 最終日レイトショーを無事に見終わり、日付も変わった雨の千本通りを北へ北へと進路をとり、鞍馬口通りを右折し東進していると、豪雨の中奇声を上げて一人踊り狂う奇人を発見。 いかにも西陣らし・・・くねぇ! よくよく見ると、泡盛に呑まれた月光荘店長代理。 見かねた店主、これに酔い覚ましの茶と小言を与え、やっとこさ帰りつき、濃ゆ〜い一日を終えたのでした。 2007.05.15 楓の花
からっとしたいい天気。
日なたに出れば暑いけれど、日陰に入ればとっても気持ちよくて。 こんな日は、川べりの木漏れ日の下で寝っ転びながら夢と現の間を揺蕩って一日過ごしたいものです。 川べりとはいかなくても、おはりばこには庭がある。 裏庭にシートを敷いて、御昼の後にシエスタなんて最高ですな。 今の季節、おはりばこの裏庭はとてもいい香りが漂っています。 匂いの元をたどってみると、おやおや楓の花が咲いていますよ。 ![]() いやはや、そんな季節になりましたか。 ん? 楓の花ってこんなだったか知らん?? もっと小さくて赤い花やったような・・・。 これは楓の花ではなく、楓に巻きついている謎の蔓が咲かせた花。 今まで邪魔者扱いしていた蔓ですが、なんとも可憐な花を咲かせるではありませんか。 ![]() いったい何という植物なのでしょう。 この可憐な花に一目惚れしたのは、先日の日曜に結婚式を挙げることになっていた友達夫婦。 土曜日に髪飾りを買いに来てくれたのですが、そのときにこの名も無き花に心奪われ、「式で着ける」と持って帰りました。 ご主人は植木屋さん。 自然を愛する二人の、幸せいっぱいの結婚式に文字通り花を添えることになった名もなき花。 なんだよ、そんな思い出深い花になっちゃったら蔓を刈りにくくなっちゃうじゃないか。 まあいいや、この蔓が花を咲かす度に、二人の幸せな顔を思いだせるんやしね。 どうかいつまでも、お幸せに。 2007.05.12 無双の着物に謎の縞
異常に暑くなった数日を経て、また平年どおりの快適な気候が戻ってきた今日。
そろそろ衣替せないかんなーと押入れの夏物着物を物色していたら、去年手に入れた無双の着物を発掘しました。 無双というのは、袷なんだけど夏の着物。 色・柄の違う二枚の薄手の紗を袷に仕立てたもので、下の生地は白地に模様が入っており、上の生地は濃い目の無地の紗が合わせてある場合が多いようです。 洋服で言うところのシースルー重ね着のようなものでしょうか。 紗袷(しゃあわせ)、二重紗(ふたえしゃ)とも呼ばれます。 これがまた贅沢且つ難儀な着物で、着る時期が非常に限られているのです。 衣替えのほんのひと時、初夏の一瞬の間だけ。 夏から秋にかけても着ることは可能なのでしょうが、無双はやっぱり「これから夏」という時期に着たいもの。 一年に何回も着られるものではありません。せっかくの晴れた土曜日、ちょっと早いですが無双を着てみることにしました。 ![]() ![]() 女性物ではたまに見かける無双の着物ですが、男物では余り見ません。 おそらく洒落た御仁が誂えたものでしょう。 それにしても珍しい縞の柄。 ![]() 横4本に縦6本の縞、その中に「ら」の文字。 これは一体なんぞ? 着物の文様には判じ文様というものがあります。 有名なのが、鎌と○とぬ(もしくは奴)と描かれた手ぬぐい。 これで、「かまわぬ」と読ませます。 柄自体が謎かけになっていて、しゃれて読ませる文様のことです。 ではこの縞は一体なんと読むのか。 「ら」に縞で有名なの文様といえば、「中村格子」や「市村格子」。 中村格子は、縦横三本ずつの格子にの中に、「中」と「ら」の文字が配されており、合計6本の縞を「む」と読ませ、「中むら」と判じせしめる文様です。 市村格子は、横1本に縦6本の格子の中に、「ら」という文字を配して、「いちむら」と読ませる文様。 そのパターンに横4本、縦6本に、「ら」を当てはめると・・・ そう、「しむら」と読めます。 これは「志村格子」だったのです!たぶん! おそらく、この無双を誂えた御仁のオリジナルの文様でしょう。 「中村格子」や「市村格子」は、歌舞伎役者自ら自分たちの屋号を文様にしたもので、手ぬぐいや浴衣にその文様を染め抜き、今で言うキャンペーンやグッズ販売にしていたものです。 歌舞伎役者は当時のファッションリーダーですから、町人は贔屓の役者の文様が描かれた手拭いなどを愛用していたわけです。 現代で言うE.YAZAWAタオルみたいなものですね。 志村某さんは、大スターしか持たないそんなオリジナル文様を考案し、背中には括り雁の一つ紋と大きな括り雁を大胆に配した無双を誂えたわけです。 ![]() 志村姓でもなく括り雁紋でもない店主が着ると、魅力も面白さも四半減ですが、こんな洒落た着物があること、誂えた人がいることを伝えるためにも、これからも愛用していきます。 ちなみに今日は襦袢もお気に入り。 流水に鯉が描かれたモスの襦袢です。 画像?いやいや、下着ですのでご勘弁を。 どうしてもという方は、裾捌きにご注目を。 2007.05.11 煙管専門店谷川清治郎商店
疾風は吹くわ、豪雨は降るわ、なのに陽は差すわの木曜日。
どうやら京を囲う三方の山々では、いたるところで狐の嫁入りラッシュに沸いているようですが、2週間ぶりの休日に町に出てきた店主にとっちゃいい迷惑。 めでたいのは分かるけど無礼講もほどほどにしときよし。 そんなけったいな天気の昼下がり、店主はある目的のため御幸町通り高辻上ルにおりました。 京都で唯一の煙管(キセル)専門店「谷川清次郎商店」に、愛用キセルのメンテナンスをお願いするためです。 さあお店に到着。 ![]() ってこれ普通に人ん家。暖簾も出てないですが、開けてらっしゃるのか知ら? 引き戸を引いて「ごめんやす。やってますか?」 奥さんが文字通り奥からやってきて、 「はいはいやってますよ」 たくさんの羅宇(らお)竹が重ねてあり、銀煙管・延べ煙管・豆煙管・喧嘩煙管と、様々な煙管が出てくる出てくる。 「羅宇の交換をお願いしたいのですが。」 アンティーク屋さんで手に入れた明治期の喧嘩煙管、羅宇の中がヤニとカビでとても汚いため、交換をお願いしたかったのです。 別途見積もりを出してもらうことにし、住所と名前と電話番号を預けます。 羅宇の交換、雁首・吸い口の内部の掃除、及び外部の掃除。 見積もりと相談して、どこまでやるかは後から決めることにしました。 店内には映画「さくらん」のポスターが。 小道具のキセルを提供したのかな? 「それもありますけど、娘が衣装のデザインを担当したのです」 ほう、あの美しい衣装を。 婀娜っぽい色使いは、煙管屋の娘として育ってこそ培われたものだったのですね。 メンテの依頼を済ませ、いろんな煙管を見せてもらい、銀製の細工がしてある煙管に反応する店主。 すかさず奥さん曰く 「誂えもできますよ。絵を持ってきてもらえばそれを職人が彫りますので。」 何だって! 自分の好きな文様やデザインを入れた煙管を作れるってか。 そんな贅沢な道具があっていいのですか? そんなお店がこんな身近にあったとは!そして知られてないとはもったいない。 いやはやすばらしい、すばらしいと店主もう大興奮。 煙管屋万歳! 紙巻タバコ全盛の今、こんなに需要のない商売が成り立つのか、と心配してしまいますが、よくよく考えれば京都の煙管市場を独り占め。 しかもその市場はとてもコアなお客様ばかり。 図らずもスキマ産業になってしまった煙管業界ですが、市場は小さくともいいものを作り続ければ生き残っていけるという、好例でしょう。 価格もお手ごろなものから本格的なものまであり、初心者にも敷居が低く好事家も納得できる。 店の方も気取らず、やさしく、対応は柔軟であり無理強いはしない。 呉服業界が生き残るヒントがたくさん詰まったお店でした。 さあ煙管のメンテナンス完了が今から待ち遠しいぞ。 それからどんな煙管を誂えてやろうか? 合理化された嗜好品にはない、心を豊かにする嗜好品、煙管。 風前の灯となった文化を、頑なに守り続けている谷川清次郎商店様、心よりリスペクトを送ります。 2007.05.09 夏の粋ってのは
まだまだ序の口ではありますが、金属の摩擦音をあげながら働く扇風機が頼もしい季節となりました。
![]() 春なんてあっという間。 これから梅雨までは、あの蒸し暑い夏に備える準備期間です。 皆様は準備のほどいかがですか? 夏といえば楽しみなのが浴衣。 我々着物人にとっても、普段は着物を着ない人たちにとっても、やっぱり浴衣というのは和の手段で手軽に涼を感じることの出来る、少なくなった日本人共通の風情ではないでしょうか。 浴衣の魅力はなんといってもその涼しげな色気。 そりゃ、キャミソールにホットパンツのほうが涼しいですよ、刺激的ですよ。 しかし、浴衣に適う色気を持ってはいません。 九鬼周造の名著「『いき』の構造」には、 「あっさりした浴衣を無造作に着ているところに、媚態とその形相因とが表現を完うしている」とかかれています。 隠すことによって顕になる媚態。これぞ、和の色気ってことです。 そんな観念を具現化した素材こそが、絽です。 絽とは、縦糸に対し横糸を等間隔で数段飛ばしに織り、隙間を作ることによって絶妙の透け具合を得た夏の生地のことです。 そんな絽を使って夏の髪飾りを作りました。 ![]() 絽の生地を染屋さんでやわらかい色合いに染めてもらい、それを一つ一つ手作りで髪飾りにしました。 男という人生もなかなか楽しいものですが、こういうとき女性ってうらやましい。 美しいものを身にまとい、季節の素材で粋を演出し、内から色気を醸し出せるのですから。 いやいや、男も負けてられませんよ。 浴衣姿を嫌いな人などおそらくほとんどいません。 浴衣を着るだけで身も心も三割り増し間違いなし。 男の粋ってのは、格好つけすぎず、ダサくなることなく、ダサかっこいいそのギリギリのエッジを攻めること。 攻めあぐねてるそこのあなた、ぼやぼやしてたら夏なんてあっという間に過ぎ去りますよ。 ほうら今年は店主と一緒に、その淵を覗き込みに参りましょうよ。 2007.05.08 紫野の音
紫野という町は素敵な町です。
京都というにはちょっと田舎で、中心の華やかな文化からは縁遠く、「都のはずれ」感が漂う地域。 その代わりに大徳寺という一つの重要な文化のメッカを戴き、礼儀正しくおおらかな人たちが住む町です。 人通りはまばらで都会のような喧騒はなく、昼はおばあさんたちの井戸端会議が聞こえ、夜は梟の鳴き声が聞こえてくる紫野。 立て付けが悪くなって隙間だらけの窓から入ってくるそんな音は、都会が失った近所との横のつながりを身近に感じさせてくれます。 夕方になると聞こえてくるのが鐘の音。 陽の長さに応じて撞く時間がかわるの鐘の音は、そろそろ日が沈むのか、と教えてくれます。 「もうそんな時間か」 と、紫野の人間がみんな同時に思うこのシステム。 目ではなく耳から、それも倍音たっぷりの重低音を放り込まれ、時をシェアするってのは、精神衛生上とてもいいことだと思います。 しかもこの鐘の音、風情がある云々の前に純粋に音として気持ちがいい。 どんな好きな音でもこれが電子音だったらきっと、すぐに慣れてしまい飽きるのでしょうが、鐘の音というのは飽きないから不思議です。 音が遮断された空間ではこうは行きません。 プライバシーと引き換えに得た無音の空間より、店主はきっと安心するのでしょう。 何かと繋がってるっていうのは、とても安心できますからね。 そろそろ裏庭から虫が鳴き始める季節です。 これから冬が来るまで、いろんな虫の声が聞こえてくるかと思うと、楽しみで楽しみで。 2007.05.04 京都に来たら、漕げ!
んーーーーー!
っと伸びをしたくなるようなすばらしいお天気。 一年で一番気持ちのいいこの季節、連休とあって京都にはたくさんの方がお越しになっています。 バスは満杯でバス停スルー、タクシーは捕まらず、マイカーで出かけようものなら時速1km規制かよ、という渋滞に巻きこまれ。 地元の人間はこの季節、車で出かけるなという鉄の掟をぶら下げて行動しています。 そんな子の時期に最も強い乗り物といえば、自転車。 レンタサイクルを利用する観光客の皆様は、とても賢明といえます。 渋滞を尻目に一方通行逆行漕ぎ漕ぎ。 張りぼての町を尻目に裏道を漕ぎ漕ぎ。 碁盤の目状の京都は、自転車がとてもよくあいます。 1キロ以上ゆるい坂道を登っていたらその方角は北。 その状態で右に曲がれば東、左は西、坂を下れば南です。 あなたが自転車を漕ぐことによって与える環境への影響は、ほんの少し増加する二酸化炭素の排出と、体温の上昇分の温暖化。 きっと、地球も許してくれます。 おはりばこへ行きたい? 堀川通りを探し出し、進路を北にとれ! 行きは辛いが帰りは楽です。 一休みできる木陰をたくさんご用意してお待ちしております。 京都にきたら自転車に乗れ! ついでに玉の輿にも乗れ! というわけで、我が氏神様、今宮神社の玉の輿お守り1名様にプレゼントです。 ![]() 前回の水木しげる一筆箋のご当選者は、 宮崎県児湯郡 堤内 茂雄様 おめでとうございます! 2007.05.04 鯉幟もう一尾
先日見事におはりばこの庇の下に放流された緋鯉。
http://www.rakuten.ne.jp/gold/oharibako/gazo/042404.jpg 悠々と泳ぐ姿勇ましく、店主の男の子心も満たされる日々ですが、緋鯉があって真鯉がいないのは少し寂しい気がします。 なんといっても鯉幟の主役は真鯉ですからね。 というわけで真鯉も飾ることにしました。 そう、実は店主、真鯉も手に入れていたのです。 それがこちら。 ! ![]() この赤い人は? 真鯉にしがみつく金太郎さんです。 大鯉をその怪力でもって捕まえたという物語にちなんだ、金太郎さんが描かれた真鯉です。 鯉といえば、滝登り。 滝を昇った鯉は龍に出世するという・・・。 そんな伝承を金太郎に託した真鯉の鯉幟。 これは、横じゃなくて縦に吊るすべきでしょう。 下から見上げれば、ほらちゃんと。 ![]() 店主の部屋に向かって力強く昇っていく金太郎つき鯉幟。 さあもう何屋か分からなくなってきたぞ |
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