自由in the束縛

最近のお江戸通いで、すっかり江戸小間物の魅力に取り付かれております。

京の粋と言えば、雅・はんなり・侘びと寂び。
政の中心が江戸に移ってからも、天下の大儀があらせられた京の都は、お公家文化の雅を中心とし、女性は物腰の柔らかい敢えてはっきりさせないはんなりを旨とし、男性は茶の湯の心「詫び・寂び」という無駄なものを省き研ぎ澄まされたストイックな精神を尊んで来ました(筆者の独断につき、鵜呑みにしないように)。

翻って江戸の粋、こちらは分かりやすい。
江戸時代の天下泰平、余裕の出来始めた町人を中心にして花開いた文化は、贅沢禁止の中で知恵を絞り、本来野暮であった紬に粋を見出し、竹を割ったような気風の良い、暮らしに根ざした粋が興りました(同上)。

どちらが優れた文化か、なんて議論は不毛の骨頂、だけんどもまだまだ若輩者の店主にとっては、渋色の無地で京の粋を目指したところで、茶の湯のちゃの字も知らんわけで、「これが京風なんですよ」なんて知ったかぶりの頭でっかちになるのがオチ。

京都人から田舎者扱いされようが、京都人の京都知らずとののしられようが、自分の好みで選んだものであればそれが江戸好みのものであっても、現状の自分を表してるんだから本望な訳でございまして。
まあいつかきちんと自分が理解するときが来れば、自然と京の粋も手に入れられるってもんでしょう。

そんな店主の最近のお好みは、浅草で手に入れた臙脂色の綿縮緬の兵児帯や、派手色の縞の足袋、台と鼻緒を選んで誂えた塗りの下駄、大正更紗などの喧しい柄物。
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基本的に着物には、いろんな制約やお決まり事がありますが、制約の中でいかに自由に楽しめるかというのも着物の魅力であり、TPOさえ弁えれば、その制約の解釈ですら自由。
毎月25日の天神さんは、その制約のキャパシティを広げてくれる楽しい場所です。

今日は奇しくも木曜日。
帰る時間を気にせずゆっくり出来る貴重な25日でした。

制約と自由を自在に操る着物人たちと戯れ、意外なアイテムを合わせてみてアリだナシだと議論したり、たまには贅沢に上うな重大盛なんぞをつついたり、面白柄の昔着物に先人の自由な発送を垣間見たりと、ああ刺激的な一日。
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さあ秋になって、着物が楽しく気持ち良い季節になりました。
「着方が分からん」なんて言ってないで、基本を押さえたら四の五の言わず無理繰り着てみてあとは外に出てみましょうよ。
選び方がわからんって?
着物や小物をじっくり見てりゃ、そこにはいつの間にか自分の姿が浮かんでくるもんで。
誰だって最初は初心者だったし、誰もがおんなじ方向に向かうわけじゃあない。だからこそ、着物を着るのは楽しいし、人の着姿を見るのも楽しいのです。

考えるな、感じるんだ、とはいいますが、考え抜け、そしてただ感じろ、というやりかたも悪くはない。

そんな今日の日記ですが、結局は楽しいから着てるんですよ、店主としては。

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    花嫁さんや成人式・卒業式、七五三などのハレの髪飾りやかんざしを、京都からお届けします。

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