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2007.12.19 明治時代のフライヤー

もっとも身近な広告媒体の一つ、フライヤー。

イベントの告知、ショップの宣伝など、比較的狭いエリア・ジャンルに告知したいときに使われる広告です。
新聞などの折込チラシとの大きな違いは、大きく二つあります。

一つ目は、広告を打つ側が、配布場所を選んでいること。
ターゲットになる人間が集まりそうなところや、横のつながりのある店に置くことによって、効率的に広告を打つことが出来ます。

もう一つが、イベントの情報や商品の情報を全面に出していない点。
表面は、ターゲットの感性に訴えるビジュアルを重視したデザインとなっており、まずは手にとってもらえるようアイキャッチ性を重視しています。

この二つに共通しているのが、不特定多数ではなく、特定少数に向けて情報を発信していること。
あえて狭い層に訴えかけることによって、告知する側も客をふるいにかけることが出来ます。
受け取る側も、より自分に合った店やイベントを知ることが出来るわけです。

告知側は、特定少数により深く訴えるため、表面のデザインを個性的にしたものが多くみられます。
フライヤーの表面は、広告であると同時に一つの表現手段でもあり、受け取る側も、一つの作品としてフライヤーを捉えていることが多いように思います。
お気に入りの店に置いてあるフライヤーを物色するのが楽しみという方も多いのではないでしょうか。

比較的新しい広告媒体のように思えるフライヤーですが、その原型と思えるものが実は明治時代に存在しました。
それが、引札です。

浮世絵の流れを汲み、石版印刷で摺られたこれら引札は、今世に舞うフライヤーと同じく、商品や店の情報は最小限に抑え、絵を前面に押し出したものになっています。
当時の売れっ子浮世絵師達が、店の以来を受けて腕を競って作っていたようです。

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鶴に恵比寿さん。家庭雑貨屋でしょうか。

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歌舞伎の衣装を着て見得を切る子供。呉服屋さん。

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美人が描いてあれば無意識に手に取るのが人情と言うもの。しかしなぜに鎌屋さん?

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現代のカフェにおいてあっても不思議ではないモダンな引札。しかし、これも明治時代のものです。フォントがかわいい。

おはりばこも、次にフライヤーを作るときは引札風にしたいなぁと思っておりましたが、現代に気軽に描いてもらえるような浮世絵師などいるはずもなく、断念したままになっていました。
夏にフライヤーを切らしてから早半年、お客様から「ショップカードはないのですか?」と聞かれ続けた店主が、ようやく重い腰を上げました。

絵師が居なくとも現代にはPCがあるじゃないか。
アートには滅法弱い店主ではありますが、なんとか年内に間に合わせるべく、一日店の二階に篭って突貫製作し、なんとか年内締め切りに間に合いました。

それがこちら。
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年明けの新宿伊勢丹の催事には持っていけそうです。
東京の皆様、楽しみにしていてくださいね。


ところでこのお姉さん、見たことあるぞと言う方はかなりのおはりばこ通。
表の間にかかっている掛け軸のお姉さんです。

次回は丸々このお姉さんについて語らせていただきやす。



※参考文献
田村コレクション「明治の引札
Post at 20:02(水)/No.401趣味・日常Com:2Tb:0Top↑

2007.12.10 印籠は男子のロマン也

古来男子と言うものは、あるものの造形に深く取り憑かれるものでして、例えばそれは鉄道だったり、自動車だったり、昆虫だったりするのですが、その入り口は、単純に外見に惹かれるのだと店主は推測します。
ソフトではなくハード、単純に造形に魅力を感じてしまうのです。男子たるものだれしもそんな経験があるでしょ?

店主の場合は、小学校の頃にポストに取りつかれました。
理由は、未だ以って不明。
あの丸型ポストは特にお宝でした。田舎で発見すれば車を停めてもらい、まじまじ眺めたりスケッチしたりと、不可解な行動に出たものです。

そんな店主がいま取り憑かれているのが、印籠。
現代の感覚からすると何に使うのか分からんあの小さな木箱。

語りだすと長くなるため端折りますが、とにかくあの印籠が「タマラン」のです。
店を始めて最初に店主が考えた商品が印籠型携帯ケースでした。
あの印籠の優れた機能美を、現代に実用品として蘇らせられないものか。
飾りやネタなんかじゃなくて、もっと実用的なもの。
そんなアイデアから、、現代人が必ず携帯しているもの、携帯電話ケースとして商品化したわけです。

マニアックすぎたためか、正直売れ筋商品ではありませんが、たまに売れると、自分の粋の共感者を発見した気分になり、うれしくなります。
しかし、印籠の造詣を深めるにつれ、より印籠らしい印籠型携帯ケースを作りたい衝動に駆られてきました。

現行品を見ていただきたい。
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さて、本物の印籠と何が違う?

【違うその1】

房がちっがーう!
印籠には房がついているイメージがありますが、これは水戸黄門で使われている印籠に房がついていることから広まった、誤ったイメージ。
昔の印籠の多くは、紐を房ではなく下で飾り結びにしていたのです。
房になっているものもまれにあるようですが。


【違うその2】

紐がちっがーう!

現行品は、巾着などに使われる組みひもを使っていますが、印籠に使われていた紐は、「印籠紐」という、粗めに組んだ柔らかな紐です。


この二点を改良すべく、まずは印籠紐を入手しました。
こんな時代でも「印籠用の紐」なんかが手に入るのは、さすが京都ですな。
小売では値段が合わないため、その紐を元に先代の伝を頼り、西陣の組紐屋さんにお願いして、わざわざ作ってもらいました。
こんな時代でも「印籠用の紐」なんかが作れるのは、さすが西陣ですな。
次に、昔の印籠に施されていた飾り結びを調べ、実際に結んでみました。
こんな時代でも「印籠紐の結び」なんかが分かるのは、さすが情報化社会ですな。

そうして本日プロトタイプが出来上がりました。
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印籠紐がなぜ粗めに組んであるのか、通してみて分かりました。
これまでの紐は堅くて丈夫でしたが、その分通すのが難儀で、通してしばらくは紐のすべりが悪かったのです。
しかし印籠紐は、粗めに組んであるためするすると通ります。
絹糸のキュッキュとした風合いも生かされています。
ゴツゴツした紐からは、風格も漂います。

細部にまでこだわった、いや、こだわりすぎて誰もついて来られないかもしれないこの新型印籠型ケース、需要はあるのか?
売れるものを作るのではなく、自分が欲しいものを作るという自営業マーケティング丸出しですが、ついて来てくれる諸兄を信じてもうすぐ世に放ちます。

紐だけじゃなくて、緒締めもこだわっていきますよ。
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これまで集めてきたへんてこな材料が活かされるときが来たようです。

せっかくすばらしい紐が手に入ったので、これを他のものに使わない手はない。
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女物は割りと万人向けのラインナップのおはりばこ、男物はとことんマニアック路線で攻めて行きますので、数寄者のあなた!

男子ゴコロくすぐられる用意はよろしいでしょうか?

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