やっちまいました

降る降るといってなかなかあたらない京都の天気予報。
逆だったら大ブーイングですが、うれしい外れ方なので多めに見ている方も多いのではないでしょうか?

今日は午後から、どんなド素人でも雨を予言できるほどに、今にも雲ごと落っこちてきてしまいそうな重たそうな雨雲が洛中を覆い、店主がこれシャッターチャンスと外に出たその瞬間、音と光と水のアーティスト雷神様のリサイタルは幕を開けました。

もとより雷神様の大ファンである店主は、光ってから1秒も経たないうちに轟が身を打つほどの特等席で、臍を隠すのも忘れてドーパミンを分泌し倒していたのですが、直後の大雨によって浸水した通り庭を見た瞬間、慌てて庭に飛び出しました。

庭には雨よけの軒があり、その下には店主の大事な大事な時代物陣羽織が置いてあったのです。
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普段は仕舞ってあるのですが、昨日何を思ったかそれを取り出し、眺め愛でていたのをそのままにしていたのです。
一応軒の下に置いておいたとはいえこの大雨、もしかしたら・・・という嫌な予感が店主を走らせたのです。

そしてその予感は見事的中。

尋常の雨なら問題なかったのですが、大ハッスルした雷神様が降らせる雨は尋常のそれではなく、水切りや樋の類は本来の用をまったく為さず、隙間という隙間から水が零れ落ち、陣羽織を直撃していたのです。

浅くても明治、欲目なしで江戸末あろうかというこの墨染の陣羽織は、経年の風化により生地にリキはなく、墨もポロポロに煤けてしまっているほどデリケートな品。
そこへさして最も忌避すべき水がかかってしまったからさあ大変。
慌てて家の中に入れ、雑巾で水分を吸い取り、ハンガーにかけて乾かしたのですがとき既に遅し。

やっちまいました。
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右の家紋は無事でしたが、背紋の古代縮緬はぬれてしまい、さらに周りの墨が溶け出してどす黒く染めてしまいました。
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自分の所有物が雨にぬれてわやになった、という話なら自己責任論のもと一笑付されるのみですが、これは大事な時代の預かり物。
店主の手に渡るまでに預かった人たちが、大事に大事に守ってきたがゆえに年代の割りにコンディション良く保たれていたのですが、自分の代でそれを傷つけてしまったとあっては、先人達に顔向けできません。


というわけで。

本来ならば隠すべき恥をあえてここにさらすことで、贖罪とさせていただきたくお願い申し上げます。


コメント

not subject

ものすごくショックですよね・・・。
心中お察しします・・・・・・。
この前洗濯に失敗して、人にあげようと思ってた自分のだって大ショックでしたもの。
時代物を復旧できるような悉皆屋さんがあると良いんですが・・・。

not subject

うーーーーー。胸がギュっと苦しくなりました。
ホント、どこかに腕のいい悉皆屋さんいないですかねぇ。。。
「リキがない」奇しくも、今回の京都旅でおぼえた言葉です。

not subject

日曜日黒の浴衣でおじゃました者です。私も今日失敗してしまいました…。友達が着ていた白の浴衣も私のですが、黒といっしょに洗ったら色移りしてしまってショック…。しかも目立つ背中と襟だけ。漂白して落ちればいいんですが…

not subject

sinobu-さん

ショックですよ・・・。
百何十年ぶりかに汚れてしまったわけですから。
歴史の重さを考えれば責任は重大です。
お洗濯も怖いですよね。
ドライモードでも限界がありますから。
昨日は綿絣の浴衣を洗いましたが、「失敗ではない」模様です。成功ともいえないでしょうが・・・。


アラシさん

黒ずんだ背紋を見るたび、心が痛みます。
なんともなりそうもありません・・・。
リキがない、これってひょっとして関西の言葉?


こんにちは。
先日はありがとうございました。
色移りしちゃったんですか!
白いものは難しいですね。漂白が成功することを願っております。
コンサートはいかがでしたか?無事にご覧になりましたでしょうか。
またおついでがありましたらぜひお越しくださいね。
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