小豆三粒

「小豆三粒包める布は捨てるな」

今よりも物がなく貧かった時代の倹約を説く言葉ではありません。
今よりも物がなくても物を大切にする心が豊かだった時代の言葉です。

実際、おはりばこの商品にも「小豆三粒」の布がたくさん使われています。
それだけの面積があれば髪飾りの花びら一つが作れます。
ストラップの押し絵片面が作れます。
そうして作られたものはお客様に見出され、可愛がられ、黒ずんで擦り切れるまでご愛用いただいています。

日本人が作り出してきた布は、着物として完成した時にピークを迎えるものではありません。
もちろん、着物として下ろされた時がその布にとっては花。
その色や柄には持ち主の願いが込められ、季節の情緒が表され、身に纏う女性達はその美しさや手触りに、心を豊かにさせられたことでしょう。

そんな思いがあるからこそ、ほつれても汚れても、着物にこめた思いとともに再利用に再利用を重ねてきたのです。

おはりばこに集う古布たちも、一つ一つそんな物語を経てやってきたものばかりのはず。
かつては着物としてその美しさを競った布たちは、何らかの事情で手放され、それでも破棄されることなく、何のご縁か知りませんがおはりばこにやって来たのです。
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一度は表舞台から消えることを余儀なくされた布は、小物として、髪飾りとして、再び女性達を魅了することとなります。
その出会いはすべて一期一会。
どんなに綺麗な布で髪飾りを作っても、その布がなくなってしまえばもう同じものは作れません。

そんな奇跡のような小物に、これまた奇跡のようなご縁でお客様に嫁いでいくわけですから、これは偶然ではなく、必然と考えるべきでしょう。

その場に居合わせた人間達が重ねるセッションが、人類有史以来の音を奏でるように、その場に居合わせた人間達の交わす言葉が、天地開闢以来の概念を生み出すように、おはりばこの布たちもまた、空前にして絶後の唯一品として、世に再び花を咲かせるのです。大袈裟に言えばね。

ときに、小豆三粒分になるまで使われる古布と、米一粒の穴で捨てられてしまう現代の布。


はて、豊かさってどちらのことを言うんでしたっけ。



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コメント

not subject

本日、コサージュを注文しました。
古布には人の想いがいっぱいつまっているのでしょうね。
縁あって私のもとへくることになったコサージュも大切にしたいと思っております。
着物はもったいないのであまりやりませんが、洋服はリメイクしてバックを作ったりしています。
捨ててしまうにはとてももったいなく、かといって着る人もいないのであれば、じゃきじゃき切ってしまうのももったいないとは思わないので、違うものとして利用するのは有効活用かなと思うのです。
店主さんの花を咲かせる素敵なお仕事、羨ましいです。

not subject

「もったいない」って日本にしかない、日本人だけの豊かな言葉なんですって。
もったいない。最近聞かなくなりましたね。
反対に、貧乏臭い、は良く聞きますが。
もったいない、私はもったいないが家訓の家で生まれ育ちました。電気も付けたり消したり、うるさかったなぁ。
息子にも、「もったいない」を、うちのじいちゃんばあちゃんはきちんと教えてくれています。偉い!染み付いてるんですね。
私はもったいないが嫁に来てだいぶ薄れました。
嫁ぎ先が「もったいない」とは無縁の家庭だったので・・・。
もうそろそろ、みなおさなきゃいけないですね。

not subject

桔梗様

ご注文ありがとうございました!
きっとこのコサージュも、桔梗様にもらわれるのを待っていたことと思います。
ぜひ可愛がってやってくださいね。

古いものをよみがえらせ、新しい人とであわせる。
幸せなお仕事です。


桜島こみかん様

もったいない、これって分かっていても忘れがちな言葉。
きちんと本来の意味を見直したい言葉ですよね。
最近もったいないを見直しています。
無駄だらけの生活を送ってきた借り、きっちり返さなければ。
こみかん様も素敵なもったいない生活をお送り下さい・・・。

届きました

本日、商品届きました。
写真で見るより淡い上品な色合いでとても気に入りました。
水色とピンクの組み合わせがとてもかわいいです!
近々、水色の着物を仕立てるつもりなので、それに合わせたいです。
帯留めにするのも素敵だし、髪飾りにもよさそう・・・今からわくわくです。

not subject

桔梗様

無事に届いたようで、何よりです。
ぜひお誂えの着物に素敵に合わせてください。
いろんな使い方見つけて、楽しんでくださいね。
また面白い使い方が見つかったらご一報を!
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  • Author:おはりばこ店主
  • おはりばこ店主です。
    花嫁さんや成人式・卒業式、七五三などのハレの髪飾りやかんざしを、京都からお届けします。

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