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店主と梅と花うらら

もう去年の話になってしまいますが、先日の弘法さん、終い弘法での出来事。

今年最後ってことで張り切って早起きした店主は、東寺の敷地内といえるほどの最寄のコインパーキング(2台分のみ)に駐車することに成功し、昼過ぎまで師走の風情溢れる東寺を徘徊・物色していました。
一通り楽しんだあと帰る段になり、人の波を縫い縫い東へ向い、黒山を飲み込み吐き出し続ける東門の敷居を跨いで一礼の後、コインパークの精算機の前に立ちました。

まあ3000円もありゃ大丈夫でしょ、と高をくくっていた店主の目に飛び込んできたのは、予想だにしないべらぼうな金額。
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ふざけんじゃないよ、何の末端価格だこのやろう。
何かと入用の師走にぼったくりやがって、ここは木屋町やないんやぞ、と料金看板を見上げると、小さな字で
「毎月21日のみ下記料金となります云々」
と弘法さんの日だけボッタクリ価格であることが記しくさってありました。

機械風情に足元を見られるとは店主としたことが不覚をとりました。
当の本人の足元の、地団太を踏む下駄の音はそのまま通りへと向かい、千円札を作れる場所、そうやなコンビニなんぞは無いかと右へ左へ。
しかし近くにコンビには見当たらず、こうしている間にも彼奴の料金時計はほくそえみながら確実に時を刻んでいるわけで、思う壺に嵌っている自分が情けないやら悔しいやら。
仕方なく再び東門の敷居を跨ぎ、何か購入して万札を崩さんと画策した店主は、その近辺に広がる盆栽エリアに取り急ぎ駆け込みました。


そんなご縁で店主の元にやってきたがこの小さな梅盆栽。
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年末は結局忙しくてどうすることも出来なかったこの子の面倒を見てもらうべく、今日やっとこさ千本出水にある谷川花店さんを伺うことが出来ました。
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自分でなんとか出来れば良いのですが、如何せん植物に関しては全くの無知である店主のこと、下手をして枯らしてしまっては不憫でなりません。
餅は餅屋、花は花屋に頼むのが筋というものです。

対応してくださった奥様と、この子の処し方を一緒に考えます。
尋常の手順ならば鉢に据えるところでしょうが、下手に盆栽然たる設えにしてしまうと、その道の通の目に留まった時に恥をかいてしまうことにならんとも限りません。
なにかこう、遊び心に富んだアレはないもんでしょうか、と尋ねてみると、奥様は優しく微笑んでこう仰いました。

「苔玉にしたらどうですか?」

つまり、この子の根の部分を大きな苔玉にしてしまおうという算段です。
なるほどそいつぁいい。
ポップでキュートな梅盆栽、想像するだけで口元が緩みます。
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綻びそうなこの蕾が開くまでに間に合うかどうか分かりませんが、あとはプロに任せて立派になって帰ってくるのを待つことにしました。

この子をどうかひとつ、宜しくお願いしますと丁重に礼をして、店を出ようとした店主の目に飛び込んできたひとつの鉢。
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目が合ってしまいました。
名前は「花うらら」。
春には檸檬色の花を咲かすそうです。

一足早くおはりばこにやってきたこの子と共に、麗かな梅の花を愛でる日を、今から楽しみにすることに致しましょうか。




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コメント

not subject

 この梅、本当にいい形をしていますね@@
 「上昇気流に乗ってるよ~ん。今年もがんばろーぜ!!」的な主張をしているように私には見えます。
 私は適当な性格なので、素焼きの鉢に「よっこいしょ」と梅に収まってもらい、苔を敷いて、お寺の敷石を寸借しますかな。
 あとは声掛けです。これは大切。
 「頑張れよ!」と毎日声を掛けるだけで植物って、本当に頑張ってくれるんです。
 苔玉のお梅さん、あまりお見かけしませんね。どんな風に安定するのか、とっても楽しみですね♪

not subject

桜島こみかん様

良い形、してるでしょ。
いっぱいあったなかからチョイスしたものです。
そしてなんと、先ほど花屋さんから出来上がったとの連絡をいただきました。
仕事が早い!
明日とりに行ってきますね~
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  • おはりばこ店主です。
    花嫁さんや成人式・卒業式、七五三などのハレの髪飾りやかんざしを、京都からお届けします。

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