老竹色

小さい頃、この世に色は18色しかないと思ってました。
というより、色というのは18色で構成されるものだと。
なぜかって、色鉛筆が18色だったから。

だから24色セットの色鉛筆は衝撃でしたよ。
綺麗に並んだグラデーション。持ってるだけでウキウキで。
僕はこんなにたくさんの色を持ち歩いてるんやぞってね。
まったく使いこなせませんでしたが。

着物にかかわるまでは、その24色の色の名前さえ知っていれば、日常生活に出てくる色は大体網羅することができ、不自由はなありませんでした。
しかし、そうは行かないのが和の世界。

限りなく均一に鮮やかな発色を再現できる科学染料と違い、天然染料や顔料で染めることによって現れる色は、24のカテゴリーに収まることはありません。
日本の伝統色がたくさんの名前を持っているのは、そのためなのでしょう。
色名に色を当てはめるんじゃなくて、色に色名を付けていった結果、膨大な色数になっていき、その一つ一つがきちんと色として大事にされていたわけです。

先日、中京区は麩屋町通り夷川上ルにある手染メ屋さんで、手染メ体験をしてきました。
数種類の天然染料の中から好きなものを選び、店主の青木さんに手取り足取り教えてもらいながら染めていくという楽しすぎる体験。
店主は足袋を染めました。
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これは柘榴で染めたのですが、さて一体何色だと思いますか?
24色色鉛筆の中には入っていない色。
○色と○色の間という表現でもまったく間に合わない色。
昔の人は、こんな今までにない色に遭遇したときに、万人が共通して思い浮かべることのできる名前をつけてきました。

「老竹色(おいたけいろ)」。

いい名前ですな。
とても幅広い。
実際に老いた竹の色でなくても、老いた竹っぽい色であれば全部老竹色。
色彩学的にR:118 G:145 B:100と定義され、それからかけ離れた色であっても老いた竹っぽさがにじみ出ていれば十分老竹色。
そもそもこんなにまっ均一な色に
042202.jpg

老いた竹の侘びた風情など感じられるはずがありません。

天然染料故、この足袋は履き続けるとどんどん色あせていくわけですが、色あせてもきっと、見苦しい色にはならないでしょう。
「色あせた老竹色」ではなく、また違う色として、店主の足元を楽しませてくれるはずです。
そのときは何色と呼ぼうかしらん?

それが、今から楽しみで楽しみで

コメント

not subject

京都の人なのに、手染め体験ってなんか笑えました。
徳島の人が藍染をするような感じでしょうか?
機会があれば、藍染体験も是非して下さい。
私は一度もした事がないのですが、とっても綺麗なものが
出来ますよv-16

not subject

意外と地元の人間は京都らしいことしていないものですよ。
藍染体験もさせてくださるようです。
今度やってみたい!
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