印籠は男子のロマン也

古来男子と言うものは、あるものの造形に深く取り憑かれるものでして、例えばそれは鉄道だったり、自動車だったり、昆虫だったりするのですが、その入り口は、単純に外見に惹かれるのだと店主は推測します。
ソフトではなくハード、単純に造形に魅力を感じてしまうのです。男子たるものだれしもそんな経験があるでしょ?

店主の場合は、小学校の頃にポストに取りつかれました。
理由は、未だ以って不明。
あの丸型ポストは特にお宝でした。田舎で発見すれば車を停めてもらい、まじまじ眺めたりスケッチしたりと、不可解な行動に出たものです。

そんな店主がいま取り憑かれているのが、印籠。
現代の感覚からすると何に使うのか分からんあの小さな木箱。

語りだすと長くなるため端折りますが、とにかくあの印籠が「タマラン」のです。
店を始めて最初に店主が考えた商品が印籠型携帯ケースでした。
あの印籠の優れた機能美を、現代に実用品として蘇らせられないものか。
飾りやネタなんかじゃなくて、もっと実用的なもの。
そんなアイデアから、、現代人が必ず携帯しているもの、携帯電話ケースとして商品化したわけです。

マニアックすぎたためか、正直売れ筋商品ではありませんが、たまに売れると、自分の粋の共感者を発見した気分になり、うれしくなります。
しかし、印籠の造詣を深めるにつれ、より印籠らしい印籠型携帯ケースを作りたい衝動に駆られてきました。

現行品を見ていただきたい。
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さて、本物の印籠と何が違う?

【違うその1】

房がちっがーう!
印籠には房がついているイメージがありますが、これは水戸黄門で使われている印籠に房がついていることから広まった、誤ったイメージ。
昔の印籠の多くは、紐を房ではなく下で飾り結びにしていたのです。
房になっているものもまれにあるようですが。


【違うその2】

紐がちっがーう!

現行品は、巾着などに使われる組みひもを使っていますが、印籠に使われていた紐は、「印籠紐」という、粗めに組んだ柔らかな紐です。


この二点を改良すべく、まずは印籠紐を入手しました。
こんな時代でも「印籠用の紐」なんかが手に入るのは、さすが京都ですな。
小売では値段が合わないため、その紐を元に先代の伝を頼り、西陣の組紐屋さんにお願いして、わざわざ作ってもらいました。
こんな時代でも「印籠用の紐」なんかが作れるのは、さすが西陣ですな。
次に、昔の印籠に施されていた飾り結びを調べ、実際に結んでみました。
こんな時代でも「印籠紐の結び」なんかが分かるのは、さすが情報化社会ですな。

そうして本日プロトタイプが出来上がりました。
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印籠紐がなぜ粗めに組んであるのか、通してみて分かりました。
これまでの紐は堅くて丈夫でしたが、その分通すのが難儀で、通してしばらくは紐のすべりが悪かったのです。
しかし印籠紐は、粗めに組んであるためするすると通ります。
絹糸のキュッキュとした風合いも生かされています。
ゴツゴツした紐からは、風格も漂います。

細部にまでこだわった、いや、こだわりすぎて誰もついて来られないかもしれないこの新型印籠型ケース、需要はあるのか?
売れるものを作るのではなく、自分が欲しいものを作るという自営業マーケティング丸出しですが、ついて来てくれる諸兄を信じてもうすぐ世に放ちます。

紐だけじゃなくて、緒締めもこだわっていきますよ。
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これまで集めてきたへんてこな材料が活かされるときが来たようです。

せっかくすばらしい紐が手に入ったので、これを他のものに使わない手はない。
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女物は割りと万人向けのラインナップのおはりばこ、男物はとことんマニアック路線で攻めて行きますので、数寄者のあなた!

男子ゴコロくすぐられる用意はよろしいでしょうか?

コメント

メタル調なコメント

凄絶なる覚悟の前に数百年の時を超え現世に奇跡が甦った!
まさに小物界のハードコア、超重量級のDIY精神に平伏すばかり、、、!
(現代訳:ムハー、チョーテクってるっス)


さすがご店主、

「スノ~ (*ノノ)」



ゲフンゲフン、「数奇者」ですねー


近いうちにナマ印籠を拝見させていただきます ノ~

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また失敗です

公開でよかったのに。チェックしたと思ったのに。再チャレンジします。

同感

はじめまして。
「男のロマン」 同感です。
見た瞬間、百寿紋錦の印籠型携帯ケースを買い物カゴに入れてました。

ちなみに着物を着ないときは、通勤かばんにぶら下げてます。そして、おそろいの名刺入れ。客先での注目度は高いです。


おはりばこ店主

悠祥、あらため、朋祁様

まま、とにかく落ち着いて。

数寄者であり、スキモノでもありますよ。
まだまだ修行が足りませんが・・・


madam様

年末、タイミングが合わず申し訳ございません・・・。
また次回、機会が合えばお越しください!
年末の京都、楽しんでくださいね!


まさ様

お買い上げありがとうございます!
そして、共感してくださりとてもうれしいです。
百寿は、私も大好きな文様です。
普段の通勤でも使ってくださるなんて、粋な御仁でらっしゃる。
さぞかし、携帯ケースと名刺入れも喜んでいることでしょう。
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プロフィール

おはりばこ店主

  • Author:おはりばこ店主
  • おはりばこ店主です。
    花嫁さんや成人式・卒業式、七五三などのハレの髪飾りやかんざしを、京都からお届けします。

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