明治時代のフライヤー

もっとも身近な広告媒体の一つ、フライヤー。

イベントの告知、ショップの宣伝など、比較的狭いエリア・ジャンルに告知したいときに使われる広告です。
新聞などの折込チラシとの大きな違いは、大きく二つあります。

一つ目は、広告を打つ側が、配布場所を選んでいること。
ターゲットになる人間が集まりそうなところや、横のつながりのある店に置くことによって、効率的に広告を打つことが出来ます。

もう一つが、イベントの情報や商品の情報を全面に出していない点。
表面は、ターゲットの感性に訴えるビジュアルを重視したデザインとなっており、まずは手にとってもらえるようアイキャッチ性を重視しています。

この二つに共通しているのが、不特定多数ではなく、特定少数に向けて情報を発信していること。
あえて狭い層に訴えかけることによって、告知する側も客をふるいにかけることが出来ます。
受け取る側も、より自分に合った店やイベントを知ることが出来るわけです。

告知側は、特定少数により深く訴えるため、表面のデザインを個性的にしたものが多くみられます。
フライヤーの表面は、広告であると同時に一つの表現手段でもあり、受け取る側も、一つの作品としてフライヤーを捉えていることが多いように思います。
お気に入りの店に置いてあるフライヤーを物色するのが楽しみという方も多いのではないでしょうか。

比較的新しい広告媒体のように思えるフライヤーですが、その原型と思えるものが実は明治時代に存在しました。
それが、引札です。

浮世絵の流れを汲み、石版印刷で摺られたこれら引札は、今世に舞うフライヤーと同じく、商品や店の情報は最小限に抑え、絵を前面に押し出したものになっています。
当時の売れっ子浮世絵師達が、店の以来を受けて腕を競って作っていたようです。

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鶴に恵比寿さん。家庭雑貨屋でしょうか。

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歌舞伎の衣装を着て見得を切る子供。呉服屋さん。

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美人が描いてあれば無意識に手に取るのが人情と言うもの。しかしなぜに鎌屋さん?

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現代のカフェにおいてあっても不思議ではないモダンな引札。しかし、これも明治時代のものです。フォントがかわいい。

おはりばこも、次にフライヤーを作るときは引札風にしたいなぁと思っておりましたが、現代に気軽に描いてもらえるような浮世絵師などいるはずもなく、断念したままになっていました。
夏にフライヤーを切らしてから早半年、お客様から「ショップカードはないのですか?」と聞かれ続けた店主が、ようやく重い腰を上げました。

絵師が居なくとも現代にはPCがあるじゃないか。
アートには滅法弱い店主ではありますが、なんとか年内に間に合わせるべく、一日店の二階に篭って突貫製作し、なんとか年内締め切りに間に合いました。

それがこちら。
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年明けの新宿伊勢丹の催事には持っていけそうです。
東京の皆様、楽しみにしていてくださいね。


ところでこのお姉さん、見たことあるぞと言う方はかなりのおはりばこ通。
表の間にかかっている掛け軸のお姉さんです。

次回は丸々このお姉さんについて語らせていただきやす。



※参考文献
田村コレクション「明治の引札

コメント

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あれっ?
『京都 ”西陣” おはりばこ』 じゃないんですね?

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しらたま様

さすがっ!
西陣は、フォントがなかったのではずしました。
そんな理由です。
京都・西陣はおまけみたいなもんです。
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