職人技

この前羅宇挿げをお願いしていた火打ち煙管が上がってまいりました。
そう、雁首に「火之用心」と書かれた銀の板が嵌め込まれたあの煙管。

081123.jpg

渦模様の節つき羅宇が見事に挿げられております。
が、良く見ると違和感が。

雁首と吸い口で、羅宇の太さが違います。
雁首の方は太く、吸い口のほうは羅宇の太さより細くすぼんでいます。

谷川さんの説明によりますと、この雁首と吸い口は、もともと別の煙管を組み合わせたものなのだそう。
だから、両方の径が違うんですね。
ならばどうするか。

普通に考えると、竹の外側を差し込みたい径に削ってすぼめて挿げればいい。
実際、古手の煙管を見ているとそのように挿げられているものがほとんどです。
しかしもともと羅宇屋さんの谷川さん、そのようなことはしません。

差し込みたい径まで竹を削らずにすぼめて差し込んで下さっています。
これぞ職人技。

とある煙草屋さんで聞いた話では、竹を火鉢であぶって柔かくし、竹の径よりすこし小さな穴が空いた板に立てて、上から叩くのだそうです。
そうして挿げたあと、熱が収まった羅宇は元に戻ろうとし、隙間なく挿げることができる、と。

聞いただけでは分かったような分からんような。
しかも今回の場合は、8mmの径の羅宇を6mmの径の吸い口に挿げています。
挿げる際には羅宇を割ることなく2mm以上もすぼめています。

羅宇の挿げ替えなどもうほとんど需要がありませんが、このような素晴らしい技術を現在まで残していることは、刮目に値します。
とはいえ、この技術も風前の灯火。
芸能や趣味ではなくご商売なのですから、需要がなくなれば、いや、完全に需要がなくなる前にこの技術も・・・消えてなくなります。

これは煙管に限った話ではなく、西陣でも同じ現象が起こっています。
この人がやめればもうこれは作れない、そんなものが今たくさんあります。

時代の流れ、ということばで切り捨てるにはあまりにももったいないと思うのですが・・・。

コメント

not subject

確かに良い技術がないがしろにされるのはもったいないですね。
職人さんが気持ちを込めて作るものはなんともいえない味がありますもんね。
古き良き物、大切にしたいです!
時代のながれに逆らってやる!

not subject

時代の流れに逆らうためには自分たちで需要を作らないといけませんね。
自分で流れを作ってやる!
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