男着物のドレスコードを洋服に置き換えてみると【その2】

さて、男性の和装における「長着」、つまり着物本体は、洋装でいうところのどこにあたるのか。

結論から良いますと、

■長着≧ボトムス

かと。(独断)
パンツ、ズボン、なんでもいいんですが、要は下半身に着る衣服のことです。
店主は、長着≧ボトムス説を強く推して行きたいと思います。

なぜ≧なのかというと、長着はボトムスの役割を包括し且つ上着としてのポジションも得ているからです。
自分自身を省みると、長着を選ぶときはボトムスを選ぶときによく似ていることに気づきます。
ファッションとしての役割は限りなくボトムスに近いのではないでしょうか。

でです。
生地や形の種類でドレスコードを分けるとこんなイメージです。

縮緬・羽二重→フォーマルスーツのパンツ
お召し→おしゃれスーツのパンツ
上布・紬→ジーンズ
木綿→綿パン
作務衣→オーバーオール・ツナギ・作業着
甚平→短パン・ジャージ


縮緬・羽二重は、どこに着ていっても恥ずかしくないですが、カジュアルな場面にはそぐわない。
黒なら第一礼装、色無地なら準礼装です。

お召しはいいですね。フォーマルもいけますが、個性も出せます。

上布や紬はもともと農民の野良着だったり普段着だったりするものを、シティボーイの江戸っ子たちが「逆にアリだな、べらんめぇ」って具合に奢侈を禁じられ絹物を着られなくなったお上へのレジスタンスとして着始めたもの。
ゴールドラッシュの際に丈夫な作業着としてリーバイさんによって発明され、その後’50年代に大人たちへの「理由無き反抗」の象徴として若者たちにファッションとして取り入れられたジーンズの歴史によく似ています。
紬はどこまで行っても紬、どんな上等品であっても結婚式では着ちゃ遺憾のヨ。という理屈もジーンズと一緒です。

作務衣は、似合う似合わないがはっきり分かれます。不器用無骨な男でなければ。

甚平→ジャージは完全に偏見です。
お祭の時に着ている人のイメージが強いのかもしれません。



【いつどこで何を着る?】

とまあ各パーツごとに洋装に当てはめてまいりましたが、店主は大体このルールに則ってTPOに合わせています。
それぞれのパーツに立ち位置的な意味があり、それを組み合わせることによって自分のポジションを明確に出来るのです。

というわけで、実例を見てみましょう。


例)友達の結婚披露宴

お召し+一つ紋付き黒羽織+無双の羽織紐+織の帯+白足袋+エナメル草履

紬でもいいんですが、やっぱりTPOを考えて。
お召しの色柄は友達のキャラや自分の気分に応じて選び、見た目の色を抑えるために黒の羽織、公式な場ですので紋を一つだけ入れて控えめに。
袴は新郎に遠慮して無し。羽織紐はちょっと色気を出します。上等の帯に、慶事ですので白足袋を履き、洒落すぎない印伝がちょいと乗った草履をつっかけます。


例)友達の結婚式二次会

お召し+一つ紋の紬の羽織+無双の羽織紐+染め帯+柄足袋+草履+相良刺繍の叺(煙草入れ)

二次会だけ呼ばれる場合は、割と好きに着て行きます。
気の置けない仲間たちだけのハレの場ですから。
ネタ半分で五つ紋の黒羽二重羽織なんて着て行くこともあります。
着物キャラは貴重ですから、ある程度楽しませてやるくらいでコーディネートします。


例)デートで街ブラ

一張羅紬+羽裏で選んだ羽織+無双の羽織紐+綿縮緬兵児帯+柄足袋+誂え下駄+勝負襦袢+鰐皮の叺と鹿角の煙管入れ

やっと下駄の登場です。好きな下駄を履くとテンションUP、ついでに身長もUP。
街ブラくらいのデートなら、自分の好きなコーデで且つしゃっきりとした拵えにまとめます。
やり過ぎないように常に引き算で。
提げ物は試金石。ここにきちんと触れてくれるご婦人を大事にしましょう。
肉食系男子たるもの万が一に備えて、襦袢と羽裏は手を抜かず、爪は切っておこう。


例)ナイトクラビング

お好きなように。

クラブやフェスの類は、オーディエンスもデコの内。傍観者になるな、のバーニングマン精神で今までの和装の殻をぶち破れ!とはいっても、ジャンルもTPOです。そのあたりを考えながらうまくエッセンスを取り入れて。
時代衣装、染め抜き半纏、ブーツ、洋装、好きに組み合わせて好きな音楽にアプローチした格好を目指しましょう。
野外フェスの場合は山が多いので、店主はトレッキングブーツをよく着物に合わせます。
人ごみで下駄に踏まれたらたまったもんじゃないので、その辺をよく考えて。



考え方やルールはそれぞれです。あくまでもある一男着物人のマイルールとお考えください。
自分なりのルールや縛りが出来たら、あとはその中で自由に遊ぶだけ。

そんなにこだわっても、気づいてくれる人なんてほとんどいません。
でも、ほとんどいないからこそ、こだわるのです。
そして、そんな人がいつの日か増えて・・・
その人らしい拵えを楽しむのが、店主の夢なのです。


世の着物男子たち、共に楽しみもうぜ!

コメント

着物男子よ。洒落っちゃいなYO!

ボトムスですか・・・・・・(一休さんが考える時の音) → チーン

他に思いつきませんでした<どひゃーw
洋服の時に、ボトムスを選ぶ。という行為が少ないのです、あたくしw

ただ、長着≧ボトムスに違和感なし。確かに、なるほどっ。
そういえば、たまにチノパンはいて上をアウトローにして・・・など
上着からのボトムス、ボトムスからの上着の服のイメージやテンションは合わせて着ています。
長着≧ボトムス の表現が絶妙です。今回の記事も完全保存版ですわっ!
あと

>ついでに身長もUP。
男心を感じましたわw

not subject

本当に勉強になりました!
プリントして永久保存版にしときます。
いままで好き勝手着てたので、最近フォーマルも持っとかないとなぁと
思う今日この頃です!

六尺褌→ブリーフ
越中褌→トランクス
こんなんどうでしょうか?

ちなみに私は越中派、あの開放感がイイ(笑)

1年ぶりぐらいにお酒飲みましたSMAP

例)深夜3時ごろの公園


+ + + + + + うぬが肉体のみ



全☆裸だったら何が悪い!!!!!


TPOに応じて、ちょいと『白百合』ぶすりと挿せば、
「愛と美の隙間に咲く花言葉、『純潔』・・・」
という、シニカルでパラドックスでしかも百合という
多元包括的アプローチを備えた提案もアリでしょう。



どこの隙間に挿すのかは各自ご検討願います

not subject

大地さま

私の場合、ボトムスは一番「心地」を重視するアイテムなんです。素材感を大事にします。その辺が似ているんじゃないかなと。
羽織を着たときに見える長着の部分は、ボトムスとかぶりますしね。


丁髷をした散髪屋さま

好き勝手も面白いですが、ルールの中で着こなすのも楽しいものです。
最近のマイブームは黒紋付の羽織です。これを普段着に。

>六尺褌→ブリーフ
>中褌→トランクス

確かにっ
六尺→男優が履いてそうなブーメランタイプのブリーフ
みたいなイメージですね。
よっぽどのことがなかったら履きませんしね。

書くいう私も越中派。
麻の越中コレクターであります。


三打数様

意味がわかりません><
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